町の図書館の郷土コーナーにありました。

昭和7年に発行されたガリ版刷りを本にまとめたもので、平成9年に発行、奥付には「岩手県立山田高等学校同窓会」とあります。
著者は当時の山田実科高等女学高(今の山田高等学校)の教諭、福田誠二さんで、方言を調査研究したものです。
昭和7年(1932年)ですから91年前。今ではもう使われなくなった方言もあります。どのように使われてどのように発音していたのでしょうね。
撥音、促音、省略音、約音、加音、母音転訛(uとoの転換など)、科学的に分析してあり、方言の語源についての考察も興味深いです。
「オーレイサマ」(雷)については、
「レイのレはラの母音転訛即ちライ(雷)で雷を音読したものである。オーレイサマが御雷様と書くべく、御と様と二つの敬称を用いたところは太古の汎神論的思想のほの見ゆる面白い言葉ではないか]
この一文だけでももっと読みたくなりますよね。
「ムサンコウ(考えのないこと)は『無参考』を音韻したものに相違ない。考えのないのは、「考え参ること無し」で漢文臭たっぷりである」
これも面白いです。
よく祖父母に言われませんでしたか?「ムサンコウにすんな」とか。
また、「あぅぇ〜こ」というのは「路地」の「さらに狭い意味の路地」らしいのですが今はだれも使いませんね。


日常に使っている山田の方言。
調べてみると昔のとても丁寧な言葉だったりするのです。
(千)