先週23日、中央公民館で山田町ジオパーク学習会が開かれました。
テーマは
「山田湾・船越半島の成立と人々の暮らし」です。

講師の米地文夫先生が、山田及び三陸海岸の地形と成り立ちについてお話してくださいました。。

まずは船越半島の赤平金剛を見たよ、陸からでも船の上からでもなく、飛行機で日本に帰って来るときに8000m上空から、というお話にびっくりです

そして、山田湾の地形を表現する時、「典型的なリアス式海岸」と表現する事が多いですが、リアス式は横に伸びるギザギザのV字型であって、こんな丸い湾は「典型」ではないですよ、と言われ、またまたびっくりです


三陸の海岸線は南北で違う顔を見せます。
おおよそ宮古辺りを境に、北は雄々しい断崖、南は深く入り組んだ静かな入江が続きます。
一方で地面の下は、北の付加体※で出来た土地と南のはるばる遠方からやって来た古代大陸の断片とに分かれます。

どういう事(@_@;)???となるのですが、元々南北に伸びていた地層に、古代の大陸のカケラがやって来てぶつかった、という感じでしょうか。(上写真、緑が元々の地層、肌色が大陸の断片です)
山田は北側の地層の上に乗っています。
けれど、湾の形は南側の延長のもの、という不思議な位置にあります。

大陸の断片という「お客様」がやって来た影響は地形にも現れています。
この辺りの地層には、どうも上方向と斜めの2方向の力がかかっているのだそうです。

そして、山田湾は2方向の力が働く、交差した位置にあるようなのです。
典型ではない丸い湾、リアス式と呼ぶには斜め過ぎる三陸南側沿岸に、「ヘイ(閉伊)海岸」としては?とおっしゃっていました。
他にも、付加体(ふかたい)とは?や、赤平金剛のお話、宮沢賢治が山田町はじめ三陸沿岸に来ていたことなどなど、いろいろな事をお話して下さいました。

最後は質問タイムは活気のあるものとなりました。
景観・観光と産業、復興との兼ね合いの難しさには頭をかかえてしまいますね。
そんな中でも、シーズンから外れた時期にいらしたお客様にもその時期の別の良い面を見せてあげること、そのためには日頃の勉強が必要じゃないか、というお話にはなるほど、と思いました。
米地先生、ありがとうございました。
(和)
※付加体とは、海溝でプレートがぶつかり合いながら地中に沈み込むとき、もう一方のプレートに削られて残された、海底表面のいわゆる「削りカス」です。
先生はもっとロマンチックに「お土産」と表現されていました。

付加体は長い年月をかけて積もり、やがて海面から顔を出します。
付加体の地層には、鉄やマンガンといった鉱石が含まれていて、釜石の鉄などがそうです。
海からの恵み、まさに「お土産」ですね。
posted by 山田町観光協会 at 17:56|
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